豊富なビジュアルの世界遺産事典
本書を検討している方の多くが、小学館刊のムック『世界遺産の旅』と どちらを買おうか迷っていると思う。小学館のものは1999年に発行され 590件の世界遺産を収録しているのに対し、本書は2001年に発行され 690件収録している。世界遺産自体は年々指定数が増えていて、2003年 現在730件登録されているので、どうしてもこのような本に最新の情報は反映されないから、あまり問題ではないだろう。 誌面の構成は、小学館版は解説の量が豊富で、写真は要所要所を押さえている という感じであるのに対し、本書(昭文社版)はほとんどの遺産の 写真が掲載されており、特に有名な遺産については見開きサイズで 大きな写真を見ることができる。かわりに、解説はややあっさりしている。 本書は解説の質・量と、見開き平均7枚のビジュアルがふんだんにもりこまれていて、 世界遺産の体系的な資料としたり、あるいはきれいな写真を楽しむのに 最適な一冊だと思う。 なお、本書は洋書の翻訳である。訳はこなれていて読みやすく、歴史用語も 最近の高校の教科書とほぼ同じで信頼が置ける。 ただ、登録年・正式な登録名の記載が無いことが、本書の資料的価値を 幾分下げてしまっているようで残念なので、星4つとしたい。 今後登録される世界遺産については、ユネスコが毎年発行する『世界遺産年報』 を買い足していけばいいと思う。
昭文社
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