専門家は読む必要なし
家族関係について、おもしろい分析をしているという意味では興味深いが、心理学の観点から見ると、こういうお話は、むかしから何度も繰り返しされてきたもので、本人が主張するほど斬新なものではない。現在の家族関係の臨床心理学や、エビデンス中心の家族研究、進化心理学における家族観のほうが、科学的な根拠もあり、はるかに知的好奇心をそそるものである。いわゆるポップサイコロジーとして、一般読者からは、好評をはくすのだろうが、専門家にとっては特に読む必要はないだろう。
岩月謙司といえば、本書できまり
本書は最近は売れっ子になった著者が、まだ無名時代(現在に比べれば)にひっそりと出したものであるが、岩月カウンセリング理論の骨子が全て提示されているといって過言ではない重要書である。ところで、世間を騒がせている岩月理論の要諦とはなにか。私が思うに、岩月の急所は、人間関係を「契約関係」「贈与関係」に二分して捕らえる点にあるように思われる。すなわち、親との関係で、人間は「契約的関係」「贈与的関係」のいずれかの人間関係を選択するようになってしまい、挙句の果てには、「快」と「不快」を逆転して生きることさえする、と著者は述べるのである。 こういった分析の手際は、多くのカウンセリング理論がそうであるように、哲学的とも称すべきものであり、科学的にはその真価は証明されようがない。したがって、彼の分析を、非科学的・独断的といって非難するのは的外れでしかないだろう。読者に求められるのは、岩月の論を「納得」することであり、自らの生きる人間関係を「契約」的か「贈与」的か自分で確かめることである。いわば本書の真価は、読者の実践によってのみ証明されるだろう。 なるほど岩月の時に独断的なもの書き自体、あらぬ抵抗を呼!ぶこともあるかもしれない。しかし、逆にいえば、読者の心理に抵抗を生まない心理学書・カウンセリング本とは、そもそもなに程のものでもない証拠ではないか。 岩月の本は学術的にはさっぱり無視されているようだが、専門的に言えば自己心理学の亜流に属するものといえるかもしれない。しかし岩月の本には専門家外であるからこそ言いうる面白い着想が数多くあるように思える。日本人には日本人から素直に出た心理療法こそ貴重なのではないか、と思うがいかがだろうか。
女性、そして娘を持つ親必読の書
相当数多くの女性が、実はこうしたストックホルムシンドロームに悩まされているのではないでしょうか。 それほど、今の日本の家庭は、子供に対する共感能力を失っているとおもいます。若い人の恋愛関係や、援助交際を考えてみても、寂寥感、空虚感を必死に埋めよう、満たそうとする女性の迷走だと考えると、とても心の痛む思いがします。 全ての女性、また、娘を持つ全ての親御さんに読んで頂きたい本です。
日本放送出版協会
母親よりも恵まれた結婚ができない理由(わけ)―女性の「オトコ運」を母の嫉妬がくるわせる 家族のなかの孤独―対人関係のメカニズム 娘は男親のどこを見ているか (講談社プラスアルファ新書) 身近な人との人間関係につまずかない88の法則―愛とやさしさの人間行動学 なぜ、男は「女はバカ」と思ってしまうのか (講談社プラスアルファ新書)
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